瞑想教室 report

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駆け込み寺


 

一人の部屋で

浩輝は子どもと3人で回転寿司を食べた後、さゆりの居ない静かな家へ帰宅した。子ども達を風呂に入れ、寝床で二人の話を聞いた後、子ども達を寝かしつける。

その後、浩輝は一人の時間を目一杯楽しんだ。企業戦士であり、よき父である浩輝はこの解放された大人の時間が大好きである。


11時が過ぎ、さゆりが帰ってくるのが遅く、浩輝は珍しく少し気をもんでいた。
ホスト風の男の子と仲良くなって、楽しく飲んでいるのか…など、日頃は全く心配などしない浩輝も、現実には可能性が低いと思いつつ、心配している自分を感じて、「さゆりと付き合い始めた頃の自分にはそういうこともあったなー」と思い出していた。

さゆりと付き合っていた頃は、嫌われたらどうしよう、とか、いかに好かれるか、などをいつも気にしながら、ネクタイを選ぶのにも気を使ったり、デートで車に香水を撒きすぎて気持ち悪くなり、車の窓を開けて走らざるを得なくなったりしていたものだ。

浩輝には、さゆりに対する独占欲、支配欲などあまりないと思っていたが、人が皆そうであるように浩輝も自分のことなどよくわかっていない。


さゆりは送られる車の中で「他のお母さんも子どももいるし、そんな遅くはならないわよーーー」と言っていたが、帰宅時間は、夜中の12時を回っていた。タクシーの中で、帰りが遅くなった言い訳を考えつつも、浩輝と子どもが寝ているのを期待していた。

さゆりの帰宅

ドアが開く音がして、鍵が回るカチッという低い音とともにさゆりが帰宅した。靴を脱ぐ音をできるだけ小さくし、息を止めながら入っていく。
浩輝の位置と状況を確認して、どの言い訳を使い、どの言い訳をする必要がないかを判断するためだ。


そのとき浩輝は、帰宅時にパソコンでさゆりに見られると困るものを見ていた。玄関に気配を感じたため、痕跡を残さないように素早く履歴を削除しようとした。が、さゆりがリビングに入ってきてしまった。
浩輝は、動揺を読み取られないよう平静を装ったが、それがまた不自然な顔であった。

いつものさゆりなら、浩輝がなにをパソコンで見ているか気になっていたはずだが、今日は遅くなった言い訳をどう説明するかで頭がいっぱいであった。


浩輝は、いつもより余裕で帰宅後の第一声を発した。
「今日は楽しかった?」
本当は、「ずいぶん遅かったね。遅くまで何してたの?」と言いたかった。

さゆりは、浩輝の「楽しかったの?」の一言にだいぶ安心して、少しきまり悪そうな顔が普通の顔に戻った。
「ホストぽい男の子なんかいなくって、おばちゃんだったわ…」
小百合は遅く帰った罪悪感から免れるため「それほど楽しくなかったから」というメッセージをこめてそう言った。

しかし浩輝にはそれが読み取れなかった。履歴の削除が気になっていたからだ。明日見られて、バレはしないか…と、いぜん翌日に突っ込まれたことがあったのだ。


その晩の浩輝は、疲れているのに12時まで起きていた理由がもう一つあった。
久しぶりの夜を過ごそうと思い密かに期待していたのである。
まずは、「疲れたでしょ」と思っていない言葉をいい、マッサージしてあげるよ!
と期待を膨らませ、いつものように言った。

さゆりは「マッサージだけならいいわよ。」と冷たくあっさり言い放った。
浩輝の欲求を乗せた船は沈没した。それ以降、さゆりとの会話の内容はどうでもよくなった。


さゆりは、なぜいつも拒むのだろう?あくまで夫を振り回しても、自分は気を使うことなく我を通す。惨めな思いを浩輝が感じるとき、「次の結婚こそ、3度目の正直」という言葉が一瞬頭をよぎる。しかしすぐに首を横に振る。



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