瞑想教室 report

瞑想会 Members report_20

駆け込み寺


 

救いを求めて

さゆりとは再婚だった。が、浩輝と彼女は離婚後に出会ったわけではない。しかも、浩輝の前妻とさゆりは同僚でもあった。火花の散る職場で、鈍感な者以外は知っている女の陣取り合戦が、水面下で熾烈に繰り広げられたのだった。

自分の「物」と主張するために、攻める側が一時奪った陣地に、派手なマーキングを残そうとするのは、弱肉強食の動物の世界とまったく同じである。

周囲からの無言の視線は、「社内で何やってるんだ。社内結婚をした既婚者が」と浩輝に圧力をかけてくるようだった。浩輝の「楽になりたい…」という思いが頭の中でループした時、ホームを通過する急行にフラフラと吸い寄せられることもあった。思い出したくない壮絶な修羅場の数々を超えて浩輝の今があるのだ。


さゆりの父は、たたき上げの社長だ。以前、浩輝と酒を飲んでいるときに、「2度目の結婚は学習!3度目は、学習能力のないやつだ!」と言ったこともある。浩輝にとって、どちらが正しいのかはわからないが、もう一度修羅場をくぐるのは大変だ。家族も愛している。さまざまな要素がせめぎ合いながら、最終的には今の現実を肯定しようとする思いが勝つ。

周りから見ると浩輝は身動きの取れない養子のような男にも映るらしい。嫁の実家は遠いのに。


そんな浩輝もさすがに癒しを求め、通っている教室がある。
「魔法の宝部屋」という教室だ。
そこでは、どんな状況でも家庭生活や仕事を楽しむ方法を教えてくれる。
マイナスの体験や愚痴も弱音も、この教室で話すとカタルシスを得る。どんな本音でも言える雰囲気が、浩輝に社会的な仮面に隠された心の奥底を見る勇気を与えてくれる。そこの参加者たちは、たいていの話は笑ってくれるので、いつの頃からか浩輝は「自分の困った話」を面白おかしく話すようになっていた。

かけ込み寺はいつの時代にもある。


瞑想会の3月の宿題でした。提出されたテキストに、前後関係がわかる程度の手直しを入れています。この小品は日常の普遍的な心模様を、架空の物語(フィクション)を通して伝えています。主人公の葛藤もよく描けていますね。

つらい体験も、ユーモアに昇華することでカタルシスを得ます。自分のトラウマをネタ化する宿題を続けたことで、入会時に「自分は鬱の傾向がある」と言っていた生徒さんも、「少しずつ自分の暗い部分が改善されている」と言えるようになりました。

葛藤の小説化は、「悩み」と同一化している自分を「悩み」から引き離し、冷静な視点で「自分の心」をとらえ直せる効果が期待できます。これは小説セラピーと言っても許されるでしょう。

自分の無意識を観察する過程で、自分の弱い部分も是認できるようになってよかったですね。sada

  

ボイジャーエクセルプロテウス(瞑想マシン)瞑想CD

Copyright 2004 Sada Consciousness Laboratory ; 瞑想法で願いを叶えよう!意識と瞑想
意識と瞑想Home 
       Members_report_20
         12|3